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過食症は適切な治療をすれば良くなる病気です

[2015.03.09]

摂食障害は治らない」と医療機関で言われ、対人関係療法による治療を求めて三田こころの健康クリニックを受診される方が多いのです。

摂食障害の経過と予後』で触れたように、たしかに一般の精神科外来での摂食障害の寛解率は12年で3%に満たず、治りにくい病気という印象があります。
摂食障害は心の病気ですから、ほとんどの精神科外来のように薬を投与するだけでは良くなりません
しかし、適切な治療をすれば良くなる病気なのです。

 

過食症にエビデンスのある治療法は「認知行動療法」と「対人関係療法」で、かつては過食症の治療法として使われていた「行動療法」は治療終了後にはそこそこの効果を示していても、治療が終わると反動のように効果が激減し、治療中に治った患者さんのうち半分が6年後には再発していることがわかりました。

過食はストレス度を表すものであって、過食を抑えることには意味がないどころか過食を抑え食行動を是正するやり方は、一時しのぎ的に症状は良くなったように見えてもすぐに元に戻ってしまう、あるいは、悪化してしまうということですよね。
(『過食をがまんすれば摂食障害は治る?』参照)

 

1995年にフェアバーンが報告した過食症の治療で、「対人関係療法」での治療直後の寛解率が30~40%、
治療終結6年後の寛解率が70%
だったという結果は、「対人関係療法」の技法のうち「認知行動療法」と共通する技法である出来事と症状の関連づけやロールプレイを使わない結果で、水島先生も書かれているように、実際の治療では「対人関係療法」の効果はもっと早く現れます。
(『対人関係療法による摂食障害の治療4~治療の実際』参照)

そうであっても、摂食障害のように個別性の高い疾患では、「適切な治療」は各人によって異なってきます。
「対人関係療法」は過食症に効果があるといっても万能の治療法ではありません
摂食障害の臨床では、どのような患者さんにどのような治療が向いているのかというエビデンスの集積が
求められているのです。

 

過食症でも強迫性障害の合併があれば「対人関係療法」は不向きですが

・高い治療意欲
・優れた洞察力
・平均ないしそれ以上の知性
・十分な自我機能を持った高レベルの防衛機制

がある患者さんのうち、出来事と症状の関連など

○「対人関係療法」で焦点とする問題領域(文脈)が明らか
○比較的安定型の愛着スタイル
○まとまりのある体験談や対人関係における具体的なやりとりについて述べる能力
○望ましい社会的支援システム

などの背景があれば、「対人関係療法」に向いているといわれています。

「対人関係療法」による治療の適合性については、非常に適した患者からさほど適さない患者までスペクトラムで理解するのが最善といわれています。

 

また治療中に起きる可能性がある変化への抵抗や、治療者への依存などの問題を予測するために治療初期のアセスメントが重要で、問題を最小化するために、「対人関係療法」の構造を壊すことなく治療アプローチに変更を加える必要もあると言われています。

このアレンジが可能なのは、三田こころの健康クリニックだけですから、過食症は治らないと結論づける前に是非、治療専門の三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

院長

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